野菜とだしで、ついでのもう一品

季節ごとの旬な味わいを一番感じられるのは、野菜でしょう。液体でも粉末でも、だしを使うと、手間をかけずに、シンプルで美味しい、ついでのもう一品ができてしまいます。おすすめなのは、旬のアスパラガスのおひたしです。下ごしらえして茹でるだけ。そして、もう一品に使うのは、じつはアスパラガスのゆで汁のほうなのです。原則として、葉物のホウレンソウなどは、シュウ酸が含まれるのでゆで汁を料理に使うべきではありません。茹でて溶け出した野菜のアクに含まれる成分は、本来なら警戒すべきものですが、アスパラガスに関しては安全で、むしろ活用すべき旨み成分を含んでいるのです。グリーンアスパラガスの茹で汁は、和洋問わず、だしとの相性がよく、かき玉汁や煮物のベースにぴったりで応用範囲も自由自在です。煮物といえば、ひじきは手軽な乾燥食材として、また、鉄分が取りやすい海藻として人気ですが、意外に味付けのバリエーションが少なくマンネリな印象です。アレンジしようと思ったら、具材よりも、ひじきを煮戻す際の煮汁の方にヒントがありそうです。アスパラガスのゆで汁に濃い目にだしを入れ、ひじきを煮てみてください。風味も栄養分も申し分ない、ついでの一品におすすめです。